広瀬隆雄氏オンラインセミナー(2月26日開催)じっちゃままとめ
はじめに
米国経済の現況
投資ストラテジー
デルタ・エアラインズ($DAL)
マリオット($MAR)
ウェルスファーゴ($WFC)
ニュートリエン($NTR)
ゼネラル・エレクトリック($GE)
マリオットの公募増資はあるか?
ウェルスファーゴは決算ひどい
ゲームストップ($GME)は買い?
リア充銘柄は決算が悪い
ロビンフット批判
マスターカードとビザカード
ドル円は今年100円にタッチするか?
ハワイアンホールディングス($HA)、カーニバルクルーズ($CCL)
ズーム($ZM)
ロケットカンパニーズ($RKT)
はじめに
マーケットがギクシャクして相場が下がっている主な理由は長期金利
米国10年債利回りは1.60%あたりまでつけた
長期金利がスルスル上がる局面では株式にとってマイナス
とりわけハイパーグロース株、テーマ株、ストーリー株がやられやすい
買いたい気持ちを抑えて債権利回りの上昇が落ち着くことを確認すべき
債権の投資家と株式の投資家のメンタリティは違う
株式の投資家はストーリー等で夢を追いかける
債権の投資家は数字にうるさい、世知辛い、せこい
今、債権の投資家が考えていることは景気が強くなるならばインフレになる→インフレになるならば債権のリターンは十分ではないと考え、債券を売っている
世の中世知辛い方向に行っている→そんな中で夢を語っていてはいけない→ハイパーグロース株、テーマ株、ストーリー株が危ない
$SPCE(Virgin Galactic)は宇宙遊覧旅行の銘柄。宇宙船は完成していないので売上高0
12月にも2月にもテストフライトができなかった
お客様をのせられるのは早くとも2022年
これは典型的なストーリー株で夢と現実の差が非常にあり、会社として体を成していない
こういった銘柄(ごみのような小型株含む)ばかりのポートフォリオになっていると今の状況ではやられる→保守的で大型で歴史があり、景気回復局面に強い会社も少しは持つべき
アメリカ株が終わったとは思っていない
米国経済の現況
今、米国経済を一番動かしているのは新型コロナワクチン→これからワクチンはどんどん出てくる
ワクチンは世界で2.2億回、アメリカでは6300万回打たれた 注射のペースは今後早くなる→今年の6月くらいまでにかなり普及する→下半期ではワクチンが余るかもしれない
人々が街に出る→景気が良くなる→インフレプレッシャーが高くなる→これを債権市場は見越している
FRBは今年は利上げしないとコミュニケートしている しかし、債券市場の参加者は今後もそうとは思っていない→どこかで債権買い入れプログラムを手仕舞いしないといけないと考えている
2013年にFRB議長が債権買い入れプログラムを縮小することを言いかかっただけでマーケットは崩れた(テーポータントラム)→この先(6月から10月)同様のことが起こりえる
現在は金融相場で経済は弱く、企業業績はボロボロ(今の状態)→今後業績相場にうつる
業績相場は政策金利が上がるので株式市場にとってはネガティブだが、それを補って余りあるほどの企業成長をすればよい
鉱工業生産は去年の春に落ち込み、その後プラスで推移している→良い傾向
小売売上高は直近では前月比+5.3%と強い数字→問題ない
設備稼働率も去年の春に落ち込んだが戻している
非農業部門雇用者数も大体プラスで推移している
失業率も6.3%まで戻してきているが、コロナ前より1000万人分失業が増えている まだ戻れていない→政策金利的にはまだ緩和的でないといけない
リーマンショックからの回復と現在を比較すると、失業率の改善のペースが早い→金融緩和もコンパクトにする必要があると読み取れる→気をつけるべき
現在の債権市場の混乱をやり過ごせるならば、もう一回遊べる→今ではない
投資ストラテジー
グロース株は金利上昇に弱い
ワクチンが普及すると旅行、レジャー関係が相場になる
銀行は短期金利で資金調達して、長期金利で貸し付けるので、この純金利マージンが大きいので銀行にとっておいしい環境が出来つつある
景気が強く、金利も上昇する局面では、過去の経験則として工業株、素材株がアウトパフォームしやすい。
デルタ・エアラインズ($DAL)
売上高世界最大、毎年2億人が利用
一番保守的で信頼されているブランドイメージ
売上高の7割が米国内
マイレージプログラムが人気
保守的な経営でバランスシートが3大航空会社で一番しっかりしている→安心して買える航空株
2020年は売上は7割も落ち込んでいてボロボロ、ワクチンが普及するまで状況は変わらないが1年かかってもデルタは潰れない
アメリカの国内旅行から復活する
海外旅行はワクチン普及の差があるのであと1年はかかりそう
マリオット($MAR)
世界で7642物件、142万室のホテル、レジデンスを運営
ブランドをたくさん作っているのは客層に合わせている
カスタマーロイヤリティプログラムは共通で魅力的 自社物件を持たず、大部分はフランチャイズ ブランドとホテル経営のノウハウを提供してフィーを得る(持たない経営)
2020年は売上が半減しているが、持たない経営のためコストも半減している→営業利益ベースでは黒字
ウェルスファーゴ($WFC)
かつて全米最大の銀行だったが、後塵を拝している
2017年頃に架空口座をあけまくったスキャンダルが出て、アグレッシブな営業姿勢、行員をいじめていることが問題になる→2018年に総量規制を受けて顧客資産を増やせない
新CEOがきて経営改革に取り組んでいる→今年のどこかでFRBから総量規制を解除されるかも→栄光を取り戻す第一歩
ROA 0.17%(通常の銀行は1%程度)
有形自己資本利益率1.3%(普通の都銀なら15%程度)
今は全然儲かってない
本来ならブランドとしてはピカイチ→今は毀損している
長短金利差によるマージン拡大によって明るい環境が見える
ニュートリエン($NTR)
世界最大級の肥料の会社
スケールビジネスであり、コスト競争力では世界トップクラス
穀物市況は強い、穀物の備蓄が世界的に低い→各国は有事のために準備→価格増
中国ではアフリカ豚熱ウイルスで豚が処分された→立て直しのため肥料が必要
ゼネラル・エレクトリック($GE)
物議を醸しだす銘柄、去年一昨年にボコボコにやられた、その後コロナが流行し、ジェットエンジンの需要もなくなった
ボーイング737Maxの問題が解決し、ようやく出荷できるようになった、コロナも収束しつつあり、希望が見えてきた
電力会社では高効率で小型のタービンの需要があったが、サイズの大きいタービンを主力としてしまった→テキサス州の寒波による停電により、余裕のあるサイズの大きいタービンの需要が見込めるように変化
風力発電はバイデン政権によってスポットライトがあたる
今回の決算は営業キャッシュフローが良かった
マリオットの公募増資はあるか?
ない 必要ない
ウェルスファーゴは決算ひどい
今はひどいが、アーニングパワーは5ドル程度あると思う 今は37ドルの株なので将来PER10倍以下とみることもできる
今の銀行は貸したお金の焦げ付きによって自己資本が減るリスクはない、バランスシートの預金は非常に増えている
消費者がお金を借りたい需要はない
コロナ収束で世の中のビジネスが再開すると銀行のローン需要は増える→ウェルスファーゴのような銀行がのびると考えている
ゲームストップ($GME)は買い?
買いではないと思う 先日財務部長が辞めている 悪い風潮
リア充銘柄は決算が悪い
悪いが、今の業績を見るのではなく1年、2年先の本来企業が持っている稼ぐ力アーニングパワーを見るべき
ロビンフット批判
みんなで買い上がろうと言っている裏で一人だけ抜けようとしている輩がいる 個人投資家が個人投資家を食い物にしている 日本の掲示板でも同様のことが起きている
マスターカードとビザカード
カードのビジネスはマスターカードとビザカードの2強が支配していた
決済のシステムを提供することによって、銀行が貸付業務、2強のカード会社はテクノロジーを牛耳るという構図だった 閉じた世界だった
今はスクエアやペイパル、マーケタ、ストライプ等のフィンテック企業がこの牙城を崩そうとしている
今年はフィンテック企業はエキサイティング
ドル円は今年100円にタッチするか?
今年のどこかで100円を試すと思う
好景気のドル安になる可能性がある
ハワイアンホールディングス($HA)、カーニバルクルーズ($CCL)
$HAはハワイの航空会社 今は苦しんでいる 積極経営で良い 化けるかも
$CCLはクルーズ船の会社 出遅れ感が強い銘柄 業績の回復角度も高いだろう マリオットとは違い、持つ経営のためハイリスク
パナマ籍の会社でアメリカの支援が受けられなかった→アットザマーケットオファリングによって場で新株を売りまくった→株価が全く上がらない→新しくゴールドマンに引受先になってもらい、ようやく資金調達の目途がたった
潰れることはないと思うが、1日1日の遅れが多額の赤字に繋がる
ズーム($ZM)
3月1日に決算発表 IPOして以来一度も決算をしくじっていない 長期金利高によって株価は軟調 次の決算が良く、長期金利が安定すれば上がる→買い場が近い
ロケットカンパニーズ($RKT)
決算は良かった 長期金利が上がっているが足元の業績は良いので全然心配しなくてよい