広瀬隆雄氏コメント(6月18日じっちゃままとめ)

目次

・結論概要

・米国経済現況

・FOMC

・今後の投資

 

・バイオジェン(BIIB)

・マルケタ(MQ)

・ズームビデオ(ZM)

・オクタ(OKTA)

・ドキュサイン(DOCU)

質問コーナー

・ファイザー今後どうでしょうか?

・DKNG売りですか?

・HMY、ゴールドとかどうでしょうか?

・NELHどうでしょうか?

・WFCどうでしょうか?

・RPRXは薬品株に入りますか?

 


 

 

                  ・結論概要

米国経済は極めて強い。FRBは強い米国経済を見て方針転換をしている。

緩和的な金利政策から8月くらいを目途にテーパリングが始まりそう。

金融引き締めは株式市場にとって難しい局面に入ってくる。

7月の相場は上を見ている。8月後半のジャクソンホール会議を転換点に9月10月は難しい相場になると思う。

 

                  ・米国経済現況

米国経済は好調。6月16日のFOMCでは18名のFRBメンバーは今年の米国のGDP成長率は+7%のコンセンサスとした。→非常に強い数字。→今後は鈍化することを心配しなければならない。

シクリカル株は景気拡大の前半部分では良いので、素材株などはそろそろ利食いしたほうがいい。

米国の貯蓄率は新型コロナの影響で急上昇している。低金利によって借金の返済負担は低くなっている。→家計に余裕があるので消費が伸びやすい

失業率の低下は少し鈍化している。

賃金は上昇プレッシャーが少しある。

 

 

                  ・FOMC

FOMCでは政策金利はゼロ金利は維持、債権買い入れプログラムも額の変更ないが、テーパリングはそろそろ始まる。→「テーパリングを考えることすら始めない」から「ある時点でテーパリングを開始する」という方針変更があった。マイノリティへの雇用についての言及もなくなった。

FRBは失業率の改善にフォーカスしていたが、物価の軟着陸にシフトする。

FRBメンバーのアンケートによるとFFレートは2023年から利上げが始まるという結果になった。PCEインフレ率は2021年末に+3.4%に上方修正された。議会からは+2%を求められているため、引き締めが必要。

 

 

                  ・今後の投資

FRBがテーパリングを始めると市場参加者はマーケットの乱高下をある程度予測せざるを得ない。→相場は難しい局面をむかえる。

7月はまだ大丈夫。8月後半のジャクソンホール会議を転換点に9月10月は難しい相場になると思う。

アノマリーでは7月は相場は高い。8月9月は悪い。これを踏襲すると思う。

 

                  ・バイオジェン(BIIB)

老舗バイオテクノロジー企業。毛並みがいい。MITやハーバード大学と結びつきが強い。

近年はイノベーションが少なかった。→アルツハイマー治療薬アデュカヌバブがFDAに承認された。アルツハイマーという新しいカテゴリーの薬がドンドン出てくるイノベーションが起きると思う。

アデュカヌバブは薬効のエビデンスや診断基準の難しさから賛否両論ある。

売上高は100億ドル程度になると思う。

重篤アルツハイマー患者は米国に200万人いる。軽い人まで含めると600万人。→600万人の老人は大票田で、アデュカヌバブを国の保険適用にするかどうかは中間選挙の争点になるかもしれない。

米国は老人を施設介護からお薬治療へ負担をシフトさせようとしている。→薬品株やバイオ株はこれから人気のセクターになると思う。

 

                  ・マルケタ(MQ)

最近IPOされた銘柄。マルケタはドアダッシュ、アファーム、スクウェア等のサービスの背後にある決済プラットフォームの会社。

マルケタのPFを利用すると企業は簡単にクレジットカード等の各種カードを発行できる。

マルケタのPFは発行管理機能をクラウド上に構築し、誰でも利用できる。(従来はオンプレのメインフレーム上にあって各金融機関に発行管理機能があった)

個人と仕事のお金がしっかりわけて管理でき、決済されたお金が瞬時に他に自動で移動できるため、ユーザー企業の資金効率がよくなる。

従来のクレジットカードより柔軟性が高い。

累計で3.2億カードを発行。決済ボリュームに連動するビジネスモデルになっている。

2020年は600億ドルのトランザクションを処理。顧客のリテンション率は200%と高い。

難点は客層が偏っていて、SQが70%占めている。→スクウェアキャッシュアプリの成功が理由。

 

                  ・ズームビデオ(ZM)

決算は良かった。しかし前年は更に急成長していたので満足できない投資家が多い。

ズームするという動詞になっているウェブサービスは強い。なくならない。

今ZMを解約する企業はあり得ない。利用企業のZMのROIは非常に高い。

ZMは買い。

 

                  ・オクタ(OKTA)

決算は良かったが、今後のガイダンスの数字が予想を下回った。

受注残が今の売上ペースよりもっと急成長している。→ガイダンスの下方修正は、最初に持ち出しが多いビジネスモデルのAuth0を買収したことによるため。マーケットの市場は2倍になる。商談は増えている。ビジネスに悪いことはない。

 

                  ・ドキュサイン(DOCU)

決算は良かった。

大企業はDOCUのソフトをがっつり使い始めている。おもしろいように業績が伸びる局面。

経済再開によって人々が出社するようになって複雑な処理をすると、DOCUのドキュメント管理ソフトの出番が増える。

 

                  ・ファイザー今後どうでしょうか?

強気に感じている。薬品株は全部買いだと思う。

 

                  ・DKNG売りですか?

ヒンデンブルグリサーチという会社がDKNGに関してネガティブなレポートを書いている。しばらく前にRIDEにもネガティブなレポートを書いて大当たりした当たり屋。注意する必要がある。

子会社のSBテックが黒い世界と繋がりがあると言われている。

通常、カジノライセンスが承認される場合、最初に行政はマフィアとの繋がりやマネーロンダリング等の黒い関係に神経質になっている。

どの程度影響があるかは測りかねるが、あまり近寄らない方がいいと思う。

 

                  ・HMY、ゴールドとかどうでしょうか?

HMYは南アフリカ第3位の金鉱株。

ゴールドが一番輝く瞬間は手に負えないインフレの時。→パウエルは労働者保護からインフレ退治にシフトした。→債権利回りが低下し、全く真逆の状態になった。

今ゴールドを持っているということは中央銀行に逆らうこと。

 

                  ・NELHどうでしょうか?

いいと思う。CCL、RCLに次いで業界3位のクルーズ会社。規模はCCL:RCL:NELH≒3:2:1。

NELHはハイエンドのクルーズのブランドがある。客単価が数倍ある。

弱点は負債が多い、操業効率、スケールメリットが出しにくい。

 

                  ・WFCどうでしょうか?

好きな銘柄だったが、今は少し良くないと思う。

WFCの総量規制解除が期待されていたが、春ごろに比べて世界の投資家の目が変わり、SLR(米国金融機関の資本規制ルール)変更議論も後退している。→9月頃まで先送りされる可能性がある。

 

                  ・RPRXは薬品株に入りますか?

薬品株であり、ディフェンシブな性格を帯びている。→不況に強い。

中小のバイオテクノロジー企業が他の中小のバイオテクノロジー企業を買収する時の資金繰りをRPRXが行うという事例が起こった。→パテントのロイヤリティの一部を貰う代わりに買収資金を渡すという新しいビジネスモデルを打ち立てた。

バイオテクノロジーは難しいので、銀行の融資担当では新薬に脈があるかどうかわからないので与信がつけられない。→RPRXは技術評価はお手の物。柔軟に資金調達できる新しいマーケットが作られた。