広瀬隆雄氏コメント(5月28日じっちゃままとめ)
目次
質問コーナー
米国の経済再開は力強く始まっている。→それに伴い金利政策の手綱さばきが難しくなる局面に入ってくる。
米国株のマーケットは6月横ばい、7月少し高い、8月は踊り場を迎え、9月10月は要注意の相場になると考えている。
2020年に新型コロナで落ち込んだが、その後力強く戻っている。
ワクチンの接種が進み、米国民の約50%が1回以上の接種を終えている。
2021年の1Q決算発表が終わろうとしている。
企業業績は非常に好調。
EPS成長率は事前予測で約25%程度だったが、結果+44.9%となった。
2021年2Q決算も非常に良い予測。7月の中旬から下旬に発表される。→7月の株高を予想している理由。
昨年の新型コロナでの外出禁止令で失業率は14%を超える水準まで悪化した。→そこから回復し、今は6%を少し超える程度。
景気が戻ってきているので、テーパリング検討の議論が起こっている。→利上げは当分先だと思うが、テーパリングに関しては、早ければ8月末のジャクソンホールシンポジウムで発表されるのではないかと注目している。→過去にもこのシンポジウムで同様の発表があった。
パウエル議長等、FRBの中でインクルーシブな(皆仲良しで皆含める)グロースが注目されている。→黒人、ヒスパニック、アジア系等のマイノリティ人種の雇用状況を無視して利上げをしてはいけないと考えている。
学歴によっても失業率が大きく変わっている。中卒は不利な立場に置かれている。
学歴面でのインクルーシブなグロースもFRBは気にしている。
経済弱者の人たちは景気拡大の最終局面で急回復する傾向がある。→テーパリングの先送りをすべき議論もある。
いつまでも緩和のスタンスが良いというわけではない。
最近雇用コスト指数が上がり始めている。→FRBは居心地の悪い思いでこの状況を見ている。
様々な物価の中でFRBが最も重視するのが賃金。→賃金は一度上がり始めると癖になるため。賃金上昇は国民のインフレ期待に直接働きかける。
FRBは新型コロナ以降、政策金利を実質0にして、量的緩和政策を打ち出した。
量的緩和政策とは債権の買い入れプログラムを指す。→現在FRBは毎月米国債を800億ドル、住宅抵当証券を400億ドルを買いこんでいる。→FRBの総資産が増えて続けている。→この増加スピードを抑えることがテーパリング。
前回テーパリングが議論されたのは2013年5月。→実際にテーパリング出来たのは1年以上後。→バーナンキ議長がテーパリングの議論を持ち掛けたらマーケットは同様したので、すぐに引っ込めた。→1年の冷却期間を置いて、テーパリングを開始することになった。
2013年は5月に議論があって株式市場はギクシャクしたが、1年を通してみると2013年は株は好調に推移した。→今回も同じことが起きるならば、長期で見ると大したことはないかもしれない。
前回利上げが始まったのは2015年の冬。2013年5月のテーパータントラムから2年近くも先になった。→今回も余裕をもたせて利上げをすると考えている。
1950年から現在までの月次パフォーマンスを見ると、アメリカの株式市場は11月~1月が一番儲かる月。2月は相場が悪い。3月4月は相場が良く、その後セルインメイでまた悪くなり、7月にまた良い相場、8月9月あたりは調整する。→アメリカのマーケットの季節性。→去年から今年にかけても大体この季節性を踏襲している。→今年も同じ傾向があるとすると、6月の相場は横ばい、7月は企業業績も好調なので株高、8月にはジャクソンホールがあるので調整になるのでは。
今回は有力なfedwatcher不在の中でテーパリングを発表するとなると更に要注意。
そんなことはないと思う。
大筋でいえば例年通りのアノマリーできていると思う。→違う点は今年は確定申告の期限が4月15日から一ヶ月伸びた。→4月の好調なアノマリーが5月にきたとも言える。
来期以降のガイダンスが予想を下回った。これは2回連続。→買収したAuth0とOKTAのビジネスのあり方が少し違う。→OKTAは顧客企業の経営トップに対してセールスアプローチをかける。Auth0はWebエンジニアのレベルで営業攻勢をかける。→この関係上、Auth0の方が最初に費用が発生しやすい。売上高も最初は少ない。→最初に費用ばかり掛かって売上も後回しになるのでEPSが低くならざるを得ない。→合併後の決算カンファレンスコールで説明されるべきだったと思う。CFOのチョンポで実質クビ。
OKTAのビジネス自体はスローダウンしていない。顧客の需要も問題ない。
ビジネスの問題ではなく、コミュニケーションの問題。一過性のもの。→あんまり心配していない。
決算は全然問題ない。強いて言えば成長率が少し低い。
BTCはほとんど金利との相関性はない。テーパリングともあんまり関係ないと思う。歴史が浅すぎるので過去との検証もできない。
金は株式配当や利子のようなものはないので、利上げによって市中金利が上昇し、インカムゲインが得られるようになれば、理論的には金は不利になる。→利上げするということはインフレ圧力がある。インフレヘッジとしての金の価値があるという議論も成り立つ。→過去の利上げ局面では一定のインフレヘッジとしての役割を果たしている。→テーパリングをしても問題ないと思う。
クルーズは3社の寡占になっている。一番大きいのはCCL、次にRCL、最後がNCLH。
NCLHには2つのラグジュアリークルーズ部門がある。→顧客単価が高い。船が小さい。
クルーズのビジネスはボリュームドリブンなビジネスになった。→より大きな船を求めるスケール競争になった。→料金は下がって大衆化が起きている。→NCLHは違う路線を歩みたいと考えている。
NCLHの小型船は大型船では寄港出来ない観光地に行くことが出来る。スタッフも沢山割り当ててラグジュアリー路線。→CCL、RCLのビジネスとは全く違う。
財務的にはCCL、RCL、NCLHの順で良い。売上ではCCL:RCL:NCLH≒4:2:1という規模。
大きな社債の借り換えがあるのは2年後あたり、今年、来年に潰れることはない。
IPOしてから良い場面ない。BTCETFの承認申請が数社あり、フィディリティBTCETFがしっかりしている。
市況が戻るまで2年はかかると思っている。
BTCETFが承認されれば、COINにとってはリスク。→COINの手数料率平均1.9%と高い。→BTCETFが実質無料で買えるならばCOINを使う必要ない。
この前発表された決算がピークだと思う。COINに投資するのは難しい。
テスト飛行が成功した。一回も成功していなかったのでネガティブに見ていた。
商業化が見えたことで株価が急騰した。
宇宙船の設計自体はハイリスクなスキームではないと思う。→エンジンがかからなくてもグライダーで帰ってこれる。安全性に関しては心配していない。
あと1年くらいで商業化の目途がたつかもしれない。まだ1回しか成功していないので様子をみないといけない。
若い人たちは物の所有より体験を重視している。ポストコロナの旅行需要もある。→SPCEにぴったりくる。→極端にダメな状況から回復途上にあると思う。
半導体についてはやや心配している。経済再開で半導体需要が高まって不足していることが広く喧伝されている。→メーカーの担当者も不足を気にして少し多めに発注することが横行している。→半導体不足が解消した場合、急転直下に暗転する可能性がある。
不足している半導体の多くは標準製品で付加価値は高くない。倉庫にたくさん貯めこまれているかもしれない。
基本的にはポジティブ。仮想通貨取引に依存する度合いが高まっている。
SQキャッシュが業績をけん引しており、仮想通貨が下火になると鈍化する可能性がある。
SQは新しいサービスを作るのがうまい会社で、売上伸長する次のネタを探してくると思う。